About Me

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Tokyo, Tokyo, Japan
I was born in Omori,Ota-ku,Tokyo,Japan in 1961. I have elder sister she has of the strong influence on me about everything especially music and then I started it. It was actually Fork Music at first,for example Takuro Yoshida,Yosui Inoue,Tulip...etc. And she started acoustic guitar but she never allow me playin' it but I sometimes played it actually. When I was Junior High school student,it was may 11 years old,I had heard first the introduction for "A Hard Day's Night" in my friend's room and my real musical life has started. I was or am love to play guitar so I asked my parents to buy my guitar,and they gave me "Greco Flying V". Everyday,every night I played my guitar and I slept with my guitar. It was so great feeling,feel like a KING. I thought "Music Can Change The World"! And first my BAND started.

10/03/1999

グレイ

「君は、履歴書を見るとかなり大手のメーカーにいたようだけど、
率直に言って、何か問題でも起こしてクビになったのだとしたら、
当社としても受け入れる事は出来ないな。」

グレイのスーツのその人事担当者はグレイな口調でそう言った。
もちろん問題を起こした訳ではなく、唯、彼の言葉のトーンは「不採用」を意味していて、僕はまたグレイになった。

こんな冬の時代にまともな就職先など有るはずもなく、
僕は結局、運送会社のアルバイトをすることにした。

学生の時に、やはり運送のアルバイトをしたことがあったけれど、
当時とは比べものにならない程、「疲れ」というものが容赦なく襲いかかる。

その頃、大きな蜂がいたせいで仕事が中断したことを思い出した。
「それ」をやり過ごす間、僕等は色々な話をしたような気がする。
もしかしたら、キャッチボールをしたのかも知れないし、
唯、黙って弁当を食べていたのかもしれないが。
とにかくそんな、ゆるやかな時代だった。

そう言えば、会社の引っ越しの仕事先が意外に近所だったので、
普段より早く部屋に戻ってきた時、
その頃付き合っていた彼女の妹が突然訪ねてきた事があった。 
まだ高校生だった彼女は珍しそうに部屋中を物色したり、機関銃のように彼女のクラスメイトの悪口やら噂やらをまくし立てた後、急に無口になって言った。

「ねえ、アタシを抱きたくない?」

ちょうどそれから半年後の高校の卒業式の前日に、
妹は、僕が彼女の姉にクリスマスのプレゼントとして贈ったマフラーで、古い桜の木から首を吊って死んだ。



かなり日が落ちるのが早くなってきたような気がする。
僕は汗を拭きながら伝票を担当の女の子に渡した。

彼女はサイトウさん、といって、どんな人からみてもかなりの美人なのだが、
何か「人を寄せ付けない凛とした厳しさ」というか、もしかしたら「寂しさ」のようなものがあって、僕等はあまり冗談を言ったりも出来ずに距離を置いたままにしていた。 今まで何人かの男が食事に誘ってみたが、すぐに肩をすくめて帰ってきた。

部屋に戻ってから、急なチャイムの音で飛び起きてしまった。
僕は汚れたシャツのままいつの間にか眠りこけていたらしい。

・・やれやれ、どうせまた新聞の勧誘か何かだろう。

丸い小さな覗き窓から外を見ると、サイトウさんがそこに立っていた。

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