About Me

My photo
Tokyo, Tokyo, Japan
I was born in Omori,Ota-ku,Tokyo,Japan in 1961. I have elder sister she has of the strong influence on me about everything especially music and then I started it. It was actually Fork Music at first,for example Takuro Yoshida,Yosui Inoue,Tulip...etc. And she started acoustic guitar but she never allow me playin' it but I sometimes played it actually. When I was Junior High school student,it was may 11 years old,I had heard first the introduction for "A Hard Day's Night" in my friend's room and my real musical life has started. I was or am love to play guitar so I asked my parents to buy my guitar,and they gave me "Greco Flying V". Everyday,every night I played my guitar and I slept with my guitar. It was so great feeling,feel like a KING. I thought "Music Can Change The World"! And first my BAND started.

10/23/2000

彼女

もうそろそろ冬のワードローブを出さなければいけない。
身軽になったはずなのに今年の冬も荷物がたくさんあるのは、
「あれ」からサイトウさんが僕の部屋に転がり込んできたからだ。

彼女は普段は銀縁の眼鏡をかけているのだけれど、
それをはずすとびっくりするくらい美人だということがわかった。
ただ、時々夜更けに急に泣き出して(それもエキセントリックに)、
何を聞いても首を横に振るだけということが何度も続いていた。
でも、そのことを除けば、静かで平安な日々が続いていた。

僕は新しい仕事を見つけた。

彼女と職場が変わるのはいささかしんどかったのが本音だけれど、
僕にはお金が必要だった。
僕は子供向けの雑誌を刊行している小さな、本当に小さな出版社に就職した。

同僚のT君とたまに仕事帰りに飲みにいくことがある。
彼はたいてい最初の2杯くらいで目を真っ赤にして、
「Kさん、ぼかぁーね、いつまでもこんなちっぽけな仕事をするつもりはないんですよ」
と、体をゆらゆらさせながらいつも同じ事を云ってクダを巻くのだが、
次の日はそんなことは無かったのように課長にお世辞を言ったりする。

そんなこともあるにはあるのだけれど、
毎週金曜日には彼女と待ち合わせて食事をしてから帰るのが楽しみだった。
土曜日には映画を見て(彼女はフェリーニが好きなのだ)、
日曜日には当て所もなく色々な所を散歩した。


洗濯機はごとごと、ごとごと、と音を立てて回っている。

僕のパンツや君のブラジャーやらがMIXされて、くるくる回っている。

ねえ、僕たちもMIX出来ないのかな?
いっその事、一回全部溶けちゃって、一人の人間に同化出来ればいいのにね。

君はシャワーを浴びている。
僕は煙草を吹かしている。

洗濯物を取り込まないと、干せないよ。
そう、君の荷物で僕の部屋は一杯だよ。
ただでさえ狭いのにさ。

君はタオルを体に巻き付けてバスルームから出てきて、
足を組みながら美味しそうに煙草を吸う。

どうして僕のシャンプーやリンスを使っているのに、
君はいい香りがするんだろう? 

君は、いつものようにタオルを仰々しく脱ぎ捨てると、僕に完璧な体を誇示しながら僕に抱きついてくる。 ぐるぐる世界が回っている。

君は僕のペニスをひとしきり弄んだ後、言った。

「これはわたしだけの、大事な大事なたからもの」

でもさ、
君はほんとうに僕のものなのだろうか?
ほんとうに僕のものなのだろうか?

そう、本当に静かで平安だったんだ。

星影のステラ

「ねえ、あなたって1人暮らしなのよね? 離婚したばかりだって・・
あ、ごめんなさい。 余計なお世話よね?」

「イヤ、いいんだよ。 本当の事だしさ。」

サイトウさんはいつものように眼鏡をかけていなくて、
おまけに目のやり場に困るようなミニスカートを穿いていた。

「あの・・何だか、あなたとお話がしたくって。
私も実はね、去年離婚したばかりなのよ。」

「でも、いきなり部屋に来たからびっくりしたよ。」

「ごめんなさい。 住所、履歴書見て知っていたし・・あ、でも、はしたない女よね?」

「どうでもいいけど、何か飲まないかい?」


サイトウさんと僕は結局ワインボトルを3本も空けてしまった。

「ねえ、このマンションは屋上に上がれないの?」

「イヤ、古いマンションでセキュリティーも何もあったもんじゃない。
誰だって屋上には行けるんだよ。」

僕等は屋上へ上がっていった。

サイトウさんはパンプスを脱いでストッキングまで脱いで、
裸足のまま錆びた手摺りまで歩いていった。

彼女はワイングラスを片手に調子っぱずれな古いジャズを歌った。

それは笑ってしまうくらい調子はずれで、
そして死にたくなるくらい悲しいうただった。

その晩、僕等はセックスをした。