1999年12月、何故かロンドンにいるおれは、イヴの前日を友人と過ごした。
「ピカデリーサーカス」にあるパブで飲んで、友人宅でワインを空け、
結局、泊めてもらったのである。
翌日は「ベイカーストリート」でパスタとビールで野郎同士でクリスマスイヴを祝う。
午後1時に友人と別れ、おれはまだ時間もあるので散歩でもしようかと、
「マダムタッソー蝋人形館」の前を通り過ぎた頃に、いいようもない痛みを腹部に感じた。
「ヤ、ヤバい・・・」
おれは「リージェントパーク」まで急いだ。
(公園ってくらいだからトイレがあるだろう)
しかし、探せど探せどトイレが見つからない。
ジーンズのボタンをすこしづつ開けていく。
きっと「オカマ歩き」をしていたに違いない。
こんなときに限って、
老紳士が「メリークリスマス!」と話しかけてきたり、
アジア系の男に道を聞かれたりする。
「ダ、ダメだぁ・・・」
おれはもう限界だった。
草むらをかき分け、物置のようなものの陰におれはしゃがみこんだ。
黄色い液体がほとばしる。
・・・・・
イギリスの公園は日本に比べて遙かに美しい。
緑の中を放し飼いにされた小動物たちが愛らしい仕草を見せてくれる。
ごめんなさい、イギリスの人々。
ちなみにどうやって拭いたのか?
それは「マーク&スペンサーの袋と木の葉」と言っておこう。
1999年のクリスマスイヴは・・・限りなくイエローだった。